すでに日本でも話題となっている「マッドマックス:フュリオサ」を、公開初日にIMAXにて観賞してきた。前作の「怒りのデス・ロード」で大活躍した大隊長フュリオサの過去を赤裸々にした本作だが、前作と並ぶかそれ以上の傑作であった。
今回はマッドマックスシリーズのファンでもある僕が、本作の見どころに迫っていこうと思う。
なお、キャスト陣のレビューについてはシネマライブラリにて語っているため、そちらを読んで欲しい。
「マッドマックス:フュリオサ」あらすじ概要
【監督】
ジョージ・ミラー
【出演】
アニャ・テイラー=ジョイ(フュリオサ)
クリス・ヘムズワース(ディメンタス将軍)
トム・バーク(警護隊長ジャック)
ラッキー・ヒューム(イモータン・ジョー)
【日本劇場公開日】
2024年5月31日
【時間】
148分
【国】
アメリカ
世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団に連れ去られ、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサ。彼女は、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞に君臨するイモータン・ジョーが土地の覇権を争う狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。
見どころ①第一作目を自らがオマージュ。ファンにとっては大興奮のフュリオサ復讐劇
1作目のマッドマックスが公開されたのは1989年のこと。僕が生まれる10年も前のことだ。メル・ギブソンを一躍スターの座にまで押し上げた作品でもあり、日本を着火剤として全世界で大ヒットを記録する。
マッドマックスをアメリカ映画だと思う人も多いようだが(実際に僕もそう思っていた)、実はオーストラリアの作品である。低予算ながらも、主人公マックスの狂気的な復讐劇とド派手なカーアクションを描き、人々を熱狂の渦へと巻き込んだ。
そんな1作目のマッドマックスから、30年以上もの月日が流れ「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が公開。主人公のマックスをトム・ハーディが演じ、物語の主軸となる女戦士フュリオサを、シャーリーズ・セロンが演じた。
日本のみならず世界を席巻した「マッドマックス 怒りのデス・ロード」だが、なかでもフュリオサは主人公マックスよりも高い人気を誇り、世界中の人々をトリコにした。
そしてついに、前作から9年の歳月を経て2024年5月31日に日本に降り立った「マッドマックス:フュリオサ」。映画館の大スクリーンで再びド派手なカーアクションが観られるとあって、僕は浮き足だったまま公開初日にIMAXで観賞した。
本作は「怒りのデス・ロード」で大活躍した女戦士フュリオサの過去を描いた作品だ。すでにご周知の通り、フュリオサは“緑の地”と呼ばれる故郷から連れ去られ、長年に渡りイモータン・ジョーが支配する砦から脱出の機会を窺っていた。「怒りのデス・ロード」ではアクションと共に物語が進むため、フュリオサの過去については深掘りされていない。本作は、そのフュリオサの過去を紐解いていくと同時に、1作目のような復讐劇が見られる。
いかにしてフュリオサが復讐の炎を燃やし、マッドな女戦士と化したか。それは、第1作目のマッドマックスと通ずる部分があり、ファンにとっては胸熱な展開でもある。
フュリオサの復讐劇には、一秒たりとも目が話せない。
見どころ②怒りのデスロードを寓話として完成させた前日譚
前作の「怒りのデス・ロード」は、圧倒的な支配力を誇る暴君を打ち倒し、英雄が誕生する英雄譚だ。しかし、その背景が細かく語られることはなく、至ってシンプルな物語にも見えてしまう。それを本作では、フュリオサの過去を深ぼることで物語に厚みを出すことに成功し、前作の英雄譚をさらなる神話へと完成させた。
ジョージミラー監督が言うように、人々の心を打つのはいつだって寓話である。寓話は観る人によって見方が変わり、価値が変わる。これまでの体験をもとに寓話を理解し、自分なりに解釈していく。
本作を観れば観るほど、僕は前作でフュリオサが取った行動の数々が理解できた。イモータン・ジョーの花嫁を連れ出した理由や脱出にこだわる理由など、それら全てが腑に落ちる。そして砦を支配する圧倒的暴君、イモータン・ジョーの強大さも思い知らされる。だからこそ、前作でのラストはより深く心に刻まれるのだ。
余談だが、僕はマックスが大好きで、前作での激渋なラストが非常に大好きだ。本作にマックスは…と、この辺で話を戻しておこう。
とにかく本作の見どころは、フュリオサの人生とイモータン・ジョーの強大さだ。本作を観賞後に、再び前作を見返すとさらなる興奮が待っていることだろう。
見どころ③監督の語るリピート必須の意味
本作の監督を務めたのは、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラー監督だ。
監督は「リピート鑑賞することでより深く楽しめる」と語っている。「細かい所作に意味が隠れており、何度も鑑賞することで気づくことがある」と。
僕もまだ一度しか観賞していないが、それでも細かいシーンに気づきがあった。きっともう一度観ると、さらなる気づきがあるのだろう。
フュリオサの細かいシーンや所作に、一体何が隠れているだろうか。楽しみが尽きない仕掛けが用意されていることも、本作の見どころだろう。
まとめ
本作の主演を務めるのはアニャ・テイラー=ジョイ。彼女の雄弁な眼をダイナミックに堪能できる点も本作の魅力だと感じている。
とにかく面白いの一言に尽きる。狂気的で驚異的。前作を観ていなくても十分に楽しめる。
「ぜひ劇場でマッドマックス:フュリオサ」を楽しんでみてはいかがだろうか。
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